今は忙しいから

北風が出てきて、蒸し暑さなくなり、乾燥した一日だった。


午後、強い風の中、一瞬空が暗くなり、その後晴れて来て、もくもくの雲が。


わたし、小さい時から、そらを見るのが、本当に好きね。



今朝、保育園の近くで、年長組の子たちと会った。
列に並んで、リュックをしょって、手を繋いで、今日は遠足なんだ。
新宿御苑に。


ふみは何日か前から、「遠足ある」とよく口にしてた。
ふみは勘違いしてる、この遠足の列は、自分の組だと。

訂正してあげなかった。


年長組の列を見て、ふみは付いてる先生たちに手を振りながら、顔がだんだん暗くなってきた。

しばらく歩いたら、ふみは暗い顔のままで、
「ふみちゃん、遠足行かないよ、一人で部屋にいる。」
「え?」
「ふみちゃん、行かないから」とふみが。


この人、みんな遠足に行くと勘違いしたんだね。自分だけ間に合わないと思ったんだね。

もっと素直になってよ、また、このひねくれた発想。

「ふみの組は行かないよ、今日は年長組だけ。ふみ組の遠足はまだだもん、再来週なの」

ふみの表情はやっと緩んできた。




保育園の玄関で、出迎えの副園長先生に、ふみが挨拶もしないので、
「ふみ、ご挨拶は?」と言ったら、
「今は忙しいんだから」とふみはにこにこと。

たしかに靴を脱いだりしてるけど、なにが忙しいのよ。


その後部屋に入ったふみは、やっぱりお友達に、
「あのね、ふみちゃんは今忙しいからね」と言っている。


“忙しい”ふみは、出ようとするわたしに、「イヤだ、ママ抱っこ」と。


S君のお父さんは、部屋から出る直前、S君の口に何かを入れた、細長くて、茶色っぽい。
何だろう、わたしはとても気になる。


S君のお父さんが部屋から出て行ったのを確認して、S君に、
「ねね、Sちゃん、お口の中のはなあに?」

「いかぁ‐」と、S君は噛みながら無邪気な幸せそうな顔で答えた。



イカっかぁ(*^_^*)、
そりゃおいしいだろうね。

「♪肴は炙ったイカがいい〜女は無口のほうがいい〜」



ふみのおじさんにあたる“しんちゃん”が来た。奥さんと。北海道から。
しんちゃんからのモモンガや虫眼鏡でよく遊ぶふみは、期待してた。
「しんちゃん、ふみちゃんに会ったらどういう?」「しんちゃん、ふみちゃんに会いたい?」

いざ、しんちゃんと会って、


最初から最後まで照れて、意味不明の行動と、ろくな言葉も出ないふみであった。(^o^)/



うちについてから、「しんちゃんもう帰るの?どうして地下鉄で帰るの?飛行機乗りに行ったの?」と、しんちゃんのことをばかり気にするふみであった。