指摘されて

朝いつも目が痛いわたしはふみに、
「ふみ、わるいけど、目薬くれる?」
「は〜い」と、ふみは、目薬とティッシュ一枚を一緒に渡してくれた。
「わ〜気が利くぅ〜、ありがとうね。あとふみちゃん、毎日ママにヤクルトを渡してくれることも、ありがとうね」
「こちらこそ」
「あら」


毎朝、ふみはヤクルトを飲む。そして、わたしにも一本持ってきてくれる。
ーーいつもの朝。


音楽教室に行く前に、皮膚科に寄った。
ふみの足のふくらはぎに、ちょっと湿疹ができ、痒がってふみはよく掻く。
乾燥からでしょう。毎晩湯上りに、パパはふみに市販の保湿クリームを塗ってるけどね。


「こどもは基本的にみんな乾燥肌です。思春期になると、お肌の油分が出てきて乾燥肌が解消するけど。それまでは、まめに保湿しないと、いろんなお肌のトラブルが…」と、お医者さんはパシャパシャとふみの体に保湿剤を塗りながら、おっしゃった。


市販の保湿クリームでは、やはり弱いでしょうね。
先生は軟膏の保湿剤を4本も処方してくれた。


「ふみ、それやめて」
「…。どうしてしゃあ、ママがしゃあ、一々怒るの?」
「だって、ふみはどうして手で蛇口を塞ぐのよ、ママのスカート濡れたんじゃない」
「えっ?」
「とぼけてる。だから理由がないとママ怒らないでしょう?」


「ね、ママってしゃ、どうしてしゃ、ちゃんとご飯作らないの?」
?!
たしかに…。最近。
というのは、ふみは大の野菜嫌いで、そうしたらお料理が難しくなる。
お野菜が入ってないものを毎日作れないから。
そうじゃないものを作ると、ふみは全然食べる気がないように、いろんな理由を付けてむずむずしてお箸の動きが進まない。
だから作る気がなくなるの。


自分の作ったものをおいしいおいしいとパクパク食べてくれるなら、いくらでも作るし、いくらでも研究してみたい。


でも、ふみにこう言われたら、やっぱりね。


という訳で、夕飯は、カボチャの薄切り豚肉巻きソテーと、玉子入りコーンスープを作った。
ふみはパクパクと食べてくれた。(野菜の中では、カボチャはまあまあ食べられるから)

おまけに、ご飯を塩昆布のお茶漬けにしてお代りして食べた。
ふみの味覚は基本的に渋い。辛党でしょうね。将来はパパとママと違って、お酒が飲めるかしらね。

ふみとパパとママの共通な大好きな食べ物は、
お蕎麦(しかもせいろがいい)、すいか、とのところかな。

パパとママの好きなお漬け物は、ふみ、いつも鼻を塞ぐの。
失礼しちゃうわ。



「♪歩こう 歩こう 私は元気〜」