梅雨明けのよう
Sちゃんのお父さんは、プロのカメラマンで、少し前の、保育園の親子ふれあいデーでの写真展の写真は、みんなSちゃんのお父さんが撮ったものです。子供たちは、みんないきいきした顔で、素敵な写真ばかりでした。
その中のふみの写真、特にアップしている一枚は、ほしくてほしくて。
Sちゃんのお父さんに、とても素敵な写真ですねと伝えたら、お礼を言われました。
そして、ほしいのなら、パソコンに送りましょうか?と親切に言ってくれまして、アドレスをお教えしましたら、その晩、ふみが映ってる写真をファイルで送ってきました。
お忙しい中、ありがたいことです。
「ふみ、Sちゃんのパパはふみちゃんの写真をたくさん送ってくれたよ、お礼しなくちゃね。あまり大きいものは気遣わせるから、さりげないものがいいな。何か小さいものを買おう、可愛いクシとか」
「うん。どこで?」
「デパートよ」
というわけで、ふみとデパートに行くことを決めました。
「ね、ふみ。話がある」
「なに?」
「Sちゃんにクシと手鏡を買おうと思ってるんだけど、キティーちゃんの。で、保育園に行ったら、このクシはふみちゃんとママが買ったよとか、言っちゃダメよ、わかった?」
「どうして?」
「かっこ悪いから。ふみちゃんは男の子だから、さりげなくやるのが、かっこいいの。ちょっとでも誰かに何かをやって、すぐ口にするのは、かっこ悪いから、男らしくないから」
「…うん」
「だから、ふみは知らん顔すればいいから、いいね?」
「うん」
念入りに何回も言いました。
伊勢丹のキティーちゃんのコーナーで、ふみは黙ってわたしに付いて商品選びをした。
そして、小さい鏡を手にして、
「これをSちゃんにいいじゃないか?」と、さりげなく言った。
さっきの写真を見せないのか?それはいいじゃないか?と、最近のふみはよくこんな口調で話すのです。
今朝、保育園の玄関で、出てくるSちゃんのお父さんとちょうど会いました。
プレゼントの小さい袋を渡しました。
Sちゃんのパパが遠くなったら、ふみは
「ふみちゃん、何も言わなかった?」と聞いてきたのです。
そうだったね!
ふみちゃんは黙って見ているだけでしたね。えらいえらい。ママの話をちゃんと聞いてくれたんだ。
おりこうおりこう。
ちなみに写真は、見れますが、いまだにダウンロードできないのです。
パソコンのサポートセンターに電話で聞いたんですが、やっぱりファイルの解凍ができませんでした。
どうしたらいいでしょう。