お嬢さん
今日は立冬。
朝からぽかぽか陽気。ふみと早いうちに出かけた。
大通りに出る前に、ブランコへ。
本当に幸せだわ〜ブランコに乗っていると。
ゆらゆら。
今日は二人乗りもした。ふみはやっぱりちょっと怖がるから、あまり高く行かない。
大通りにでた。走ってるいろんな車を、ふみは一々わたしに中継する。
コンクリートミキサー車が通った時、ふみは、
「コンクリートミキサー車はね、コンクリートが固まらないようにね、ずっとぐるぐる回ってるんだよ。でもね、運転手さんは回らないよ」
そうでしょうね。運転手が回ったらたいへんだわ!
豊川稲荷に、久しぶりにお参りに行きましょう。立冬の今日に。もちろん歩いて。
立冬に咲いてるお花。
東宮御所を回って行く道に、警備のお巡りさんがたくさんいる。
ふみは会うたびにご挨拶をする。
するとお巡りさんも「おはようございます」と、敬礼したりもしてくれる。
結構歩いて、ふみは疲れたと言って、青山二丁目のコーヒー屋さんで一休み。
ふみはアイスココアをおいしそうに飲む。
風が出てきて、枯葉がぱらぱらと落ちてくる。
ふみは喜んだ。
「待ってぇ〜 待ってぇ」と、ゆらゆら舞い落ちる枯葉を追っかける。
その光景に、見入るわたし。ほほえましいな〜
ふみはわたしの「ちょっと待ってね」とも聞かずに、走って一人にお参りに行った。
ガランガランっと、鈴緒が鳴った同時に、
「あっ」とふみの声がして、行ってみたら、
ふみは、手に鈴緒の穂(?)を一束掴んでる。
!?取れちゃった!
えぇぇ〜
びっくりするわたし。
爆笑するふみ。
もう…
改めてお参りをする。
ふみは、小さい手を合わせて、「いつもママを守ってくれてありがとう」と言った。
それを聞いて嬉しくなった。
お線香を買って、香炉に立てようと、ふみはまたわたしの言うことを聞かずに、勝手に先にやろうとして、
今度はお線香の束を落として、
ふみ、泣きだしてしまった。
ヤケドしたかと思ったが、どうもそれはない、ふみは、ただ驚いたようだ。
ふみはしばらく泣いてた。
いっぱいあやして、ふみに、「さっき、鈴緒を落とした人〜」
「は、はあい」とふみはしくしくしながら手を挙げる。
落ち着いてきて、ふみは、「だって、熱かったもん。…、うそだった。熱くなかった、こ、こわかったのー」と。
そうだろうね。周りに狐さんの石像がたくさんあるし、こわかったのでしょうね。
ぎりぎりの時間に音楽教室に入った。
たくさん歩いて疲れたかな、ふみは今日あまりやる気がないみたい。
昼寝は、すんなり。やっぱりたくさん歩いたからね。
夕方、ふみとスーパーでお買い物、レジに来たら、カバンに財布が入ってないことに気づき…。
出る時、カメラを取り出すつもりだが、財布を取り出したんだね。
仕方がないや、ふみと財布を取りに戻る。
スーパーから手ぶらで出てくるわたしを、近所の床屋さんが、「どうしたの?お嬢さん」と声をかけてきた。
その方、以前からわたしのことを「お嬢さん」と呼んで、ふみが生まれて、ふみもう4歳近くなって、その方、やっぱりわたしを「お嬢さん」と呼ぶ。
なんだかちょっとうれしい。
今日のネイルは、朱色。かなりあざやか。お花の芯の水色は、ふみの注文。
黄色いにしたかったけど、ふみがどうしてもというから。
いつも行ってるネイルサロン
歩いてるとき、ふみは突然、
「ママ、教えてあげようか?ママはね、ふみちゃんが折り紙で作ったんだよ。折り紙で作って、それから本物になったんだよ。ふみはね、最初から本物だけどね」
「ほんとう?や〜作ってくれてありがとう」