暖かい風が

今日は雨だが、低気圧が生温い南風を運んできて、ちょっとむしむしさえする。


9時過ぎた途端、よく行く近くの耳鼻科に電話し、来週月曜から、ふみはもう新型インフルエンザのワクチンを受けられるので、問い合わせしたら、なんと、確保したワクチン、すでに予約がいっぱいで、無いんだと。
わ〜 そうでしょうね。早く予約すべきだったわ、と自分を責めながら、近所の小児科に電話した。
受付の人はやはり同じ答えで、S先生に繋いでもらった。

先生にお願いしたら、「わかった。じゃ、なんとか27日の午後に、仮予約を入れてあげるけど、16日に、絶対確認電話を入れることね。でないと27日は無いことになるから…」

ありがたい!16日朝一番、電話します。
ふみ、あと二週間頑張ろうね。


風がやや強いから、落葉がいっぱい舞ってくる。



近所のお寺。



雨の中、咲いてるお花と赤い葉っぱ。



音楽教室に行く前に、ふみと教会に寄ってみようと。ふみも大賛成。




お天気がよろしくないせいか、教会でお祈りするのは、2、3人しかいなかった。

ふみは迷わず一番前に座りに行った。仕方なくわたしもついて行く。
「ママ、今日はどうして人がいないの?」
「いるんじゃない。シーだよシー」
しばらく黙ったふみは、またわざとらしい“密かな”声で、
「ママ、本を見ようよ、見よう」と、讃美歌の本を取りだした。


パっと開いたページは、「心静かに、わたしは、いこう」、でした。
小さい声で「心静かに…」と読んで、
隣りのふみはすぐ「心静かに」と真似する。
(ふみは口静かに、でお願いね)


ここで座ると、たとえ短い時間でも、なんだか自分と向き合う感じがして、わたしにとっては、時々必要な時間である。


ふみは間もなくあきたようで、遠くに行ってしまう。




風で髪がごぢゃごぢゃになって、ふみと音楽教室についた。

今日は休まず出たのはわたしたち含め、3人だけだった。
やっぱり子供を連れてると、お天気は一番考えなきゃならない要因でしょうね。




お昼寝に起きてから、ふみを見てみると、どうも違う感じがして、
思わず、「あなた、だれ?」と聞いてしまったわたし。
「ふみだよ」

うん、声はそうだけど、違う、顔が違う。
下のまぶたが腫れて、眉の下や、ほほに、湿疹のようなのができてる。
ぶつぶつの小さい湿疹ではなく、面積大きいな平べったいなもの。

慌てて体をチャックしてみたら、おしり、太もも、膝、肩に、同じようなのができてる。

びっくり。

湿疹はできたりしますが、このような平べったいのは、初めて。

土曜日だし、すぐ救急相談センターに電話をした、
首に受話器を挟んで向こうの質問に答えながら、ふみの保険証や診察券を用意し、自分も着替えした。


まず熱がないのは、だいぶ安心できる。それからせきや鼻水、息苦しいなどの聞かれた症状もなく、もう少しほっとした。
「普通の蕁麻疹だと思いますけど」と、三つの病院を教えてくれた。
慶応の救急を選んだ。


ふみに聞いたら、体調は全然大丈夫だと言うので、手を繋いで、歩いて慶応へ向かった。


雨あがり、生温い風が吹いてる。
「ふみ、雨がなくてよかったね」
「うん」ふみは、ちょっと不安そう、「ママ、注射しない?」
「しないわよ。蕁麻疹だもん、注射なんかしませんよ。せいぜい塗薬かな」


救急部に行って、ここ、何回目だろう。ふみのノロウイルスのためとか、わたしが高熱だしたりとか、ちょっと数えきれないかも?


ふみの保険証は新しくなったため、書類を書かなきゃいけない。

わたし、急に咳が我慢できなくなった。

いつものくせなんだ。ちょっと緊張すると咳がでて、しかも抑えようと思えば思うほど激しくでる。
けど、救急に来て、激しい咳なんて、新型と思われるしかないじゃない。
ペンと用紙を窓口に置き、走って外に出た。
廊下に出てから、タオルで顔を塞いで、思い切り咳をした、息が苦しいほど、酸欠になりそうほど。
このため、以前、耳鼻科の先生から喘息用の緊急な時のスプレーをもらってる。
けど、本当に緊急な時、それをカバンから取り出し、ガジャガジャ振ったり合わせたりする余裕、あるのかしら。


やっと咳が治まって、涙を拭きながら傍のふみに「だいじょうぶ?」と聞いた。
「ママだいじょうぶ?」とふみは聞き返す。
ついこの前ホームでママは同じことになって、ふみも「だいじょうぶ?だいじょうぶ?」と聞いてたね。
ふみに心配をかけたね。


小児科の当番の先生に診てもらった。

やっぱり蕁麻疹ですって。
蕁麻疹の原因は、ほとんどわからないって。
様子をみて、自然にひくと思うって。


痒み止めを処方してもらって、これもあまり痒がらないなら使わなくていいと。


薬局から出て、日がすっかり暮れた。

ふみはおんぶをおねだり。

ま、いいっか。

17キロのふみをおんぶして、帰り道へ。


暖かい風に吹かれ、わたしの肩に乗せてるふみの顔を見た。
嬉しそうなふみ。

街灯と車のライトに照らされ、ふみもわたしも、うれしそう。
ふみをおんぶして、ずっと歩いてた。






Kさんから、またお野菜をいただいた。
この立派なメロンも。夏にスイカももらったことがあります。


Kさんは時々黙って玄関の外に自分の作ったお野菜を置いて去るのです。
ありがたい。
お礼を伝えたら、
「おいしいと食べてくれたらそれでいい。もっと持ってきたいけど、あまり持って行くのも、あれだしね、問題になるしね」と、口下手そうなKさんはおっしゃる。

問題?ならないならない、よければどんどん下さい。




鮮やかな朱色から、オレンジ色に。