天に一番近い
知人の方の奥様の絵が、上野の東京都美術館で展示されて、今日が最終日です。
朝9時頃に、ふみと出かけて、上野へ向かいました。
上野駅の公園口では、動物園や、たくさんの美術館や、広場でいろんなイベントの開催などがあるため、朝から賑わっています。
ふみはいろんなものに惹かれてますけど、絵の展覧は最終日の今日は11時までだから、ふみをなんとか誘惑に勝たせて、東京都美術館の建物へ直行。
たくさんの油絵が展示されている。受付の方に知人の奥さんの名前を言って、場所を教えていただいた。
ありました。知人の奥様の絵、《楽器のある静物》というタイトルで、特選になっていますね。
「Yさんの奥さんの絵?すごいね」とふみが感心している様子。
ほかのも見てみたのですが、あまり上手じゃないのもありました。でも油絵って、難しいですものね。
10代から従兄の絵のモデルになったわたしは、よくわかります。
従兄がいろいろと描いてくれました。大きい油絵も一枚ありました。
絵のわたしは、紫っぽいお洋服を着て、三つ編みにしている髪に、同じく紫っぽい色のピンが飾ってあったわ、確か。従兄のまだ素人時代の作品です。
従兄はその後大學で油絵を専攻しました。あの絵は、今どこにあるのでしょう。
東京都美術館から出ると、広場から、おいしそうな匂いが漂ってきました。
100%米沢牛のコロッケのお店の前に、ふみと並んだ。ふみはコロッケが食べたいと。
ママは山形のほうとうが食べたいのに。ふみはうどん系がイヤだから。
200円一枚のコロッケを買って、ふみと食べた。おいしい。でもコロッケは揚げたてなら大概おいしいもんね。
宇都宮の餃子のお店の前に並んだ。ふみが食べたいというから。
ママは山形のほうとうが食べたいのにな。
焼き餃子を4個をふたりで食べた、おいしい。
熊本のいきなり団子もあるけど、ふみは食べないというから、断念。
テレビで紹介された×××、金賞をもらった×××、いろんなお店の前に行列ができてる。
パパに福岡のおいしいキウイフルーツをおみやげにして、煙と匂いの広場から離れた。
森の美術館へ。ずっと見たかったチベット仏像展を観に、ふみと入った。
わたしの憧れのチベット、やはり違いますね。独特な美の意識、独特な世界観、よそじゃ真似できない境地、さすが天に一番近いところに住んでる人々、別世界だな、と、ため息を付くばかりわたしです。
十一面千手観音は、今チベットではもう一般展示していないそうです。
ふみは、まあまあおりこうにわたしについてました。
でも本当はやっぱり一人でゆっくり観たかったけどね〜。
出口のところのショップで、金メッキのラマ教の真言の携帯ストラップを購入。
うちの母やおばたち、驚いた時や、困った時など、すぐ手をおでこあたりに合わせ、この真言を口にするのです。
日本語のペラペラのきれいなチベットお姉さんはふみに、「干支はなに?」とたずね、
「…。」
「酉年です」とわたしがかわりに答えたら、
若いおねえさんは、酉年生まれのお守りの梵字の入ってるシールをくれた、「プレゼントです」と、美しい笑顔を見せた。
うれしい〜 チベット的な美は。
馬頭琴の音だわ、間違いない。
音を探して行ったら、モンゴルの民族衣装を着て、馬頭琴を演奏している人がいた。
いつからでしょうね、馬頭琴の音が聞こえると、あの馬の尻尾でできてる弦は、心の先っぽで押したり引いたりしているような感じがして、わけもわからず涙がでてきそうになる。
今日も、遠くから見させてください。近づいたら、わたし、涙がとまらない気がするから。