東大
知人が東大病院に入院し手術を受けて、だいぶ状況が落ち着いたので、
お見舞いに、ふみと今日、東大附属病院に行っていました。
水の小さい容器がちゃんとついてる、かわいらしいお花を買って。
ホームページから印刷した地図(カラー写真付きの順路説明)を持って、
本郷三丁目駅で降りて、徒歩10分ほどで、東大病院に着いた。
面会の手続きをしたら、ちょうど図書館に本を返しに行った知人と会いました。
とてもお元気そうで、目の手術したばかりとは見えないほど。
眼帯を被せてる片目を指さして、「海賊になったよぉ」とふみに笑いながら言った。
相変わらず弱音を吐かず、弱い面を見せない知人に、いつも感心してます。
目がだんだん悪くなってきた時も、
「月が3、4個見えるよ、お得な気分」と笑ってた。
手術前は、実はすでに5メートル先がもう見えなくなっているのに、明るく談笑し、目の具合が悪いと気づく人はあまりいなかった。
わたしは心配してました。
ほかのところと違って、目が見えないと、どんなに不安で、どんなに恐怖で、どんなにうっとうしく感じるでしょう。
想像するだけでもつらい。
知人は病棟をいろいろと案内して下さった。
さすが東大病院、あらゆる施設が揃っている、便利そのもの。
昼食は15階のレストランで頂いた。
なんとこのレストランは、精養軒のお店。
ふみはアイスクリームを、大喜びで食べた。
この食事も知人のごちそう。払おうとしたが、知人がどうしてもと。
なんだかこの頃ごちそうになってばかりで。
5分間隔で知人は3種類の目薬をさしてから、せっかくですから、東大構内でお散歩しよう、ということになりました。
東大構内に入るのは、初めて。
広くて気持ちいい。それになにより建物たちが素晴らしい。
赤いレンガの古い建物が、わたしは大好き。
同時に懐かしく感じてならない。
小さい頃暮らしてた大学も、こういう建物ばかりでした。
ふみがここで撮った写真は、全部ふざけてる。
(なめてる?)
安田講堂。
構内散歩の間、知人と口を揃えてふみに洗脳戦略。
「ふみ君、ここに入ったら?ね?学費もいくらか安いし。近いし、ね?しょうがないね、入ろうか」
「そうそう」
「ふみ君、早く立派なお医者さんになって、その時ママと、またさっきのレストランに食べにいくから。ふみ先生につけといてって、わっ、かっこいい」
「そうそう」
ふみは、「えぇぇぇ、とうだい?いやだよ。ぼくは新聞配達のおじさんになるよ」
ガクっ、て…。
でも知人はあきらめない、
「ああ、東大生になって、新聞配達のアルバイトをするってことね…」
あははは。愉快だ。
広い広い東大の敷地から出て、農学部の門の近くの南北線に乗って、うちに帰った。
素敵な一日でした。
目の手術したばかりの知人、お疲れになってないのかしら。