天安門広場
お湯直った!
ふみ泣いた(-o-;)
ふみトイレして、お尻を洗ってあげようと、出てきたのがいきなり熱湯で…。
これで部屋を換えなくて済むわ。よかった〜
でないとまた荷物を持って移動するのは、考えるだけでも面倒だ。
夕べのおじさん、やっぱり感動的だったね。
けどふみは、やけどしそうだったね。
冷たかったり熱かったりして、ほんとにごめんね、ふみ。
夕べの冷たい水の“苦行”は、幸いふみもわたしも風邪をひかずに済んだ。
「ふみ、気合い入れてね、気が緩んだら風邪ひくから、風邪なんか負けるもんか!」
「…うん。」ふみの声は、やや弱々しい。
ふみは、昨日からのいろんなハプニングで、ちょっと元気なくなってるようだ。
わからないでもない。おまけに中国人は声は大きいわ、動きが派手だわ、道で喧嘩をするわ。
北京は広いわ、道はいつまでも真っすぐできりがないわ。
みんなは、ふみの知らない、いろんな訛りの中国語でしゃべるわ。
ふみ、圧倒されてる。
調子が出ない。プラス疲れも取れてない。
朝食は泊まってるところのレストランで食べた。
中国の朝食の定番の揚げパンだが、ふみは全然食べようとしない。
クッキーのようなお菓子を少しずつかじって、暖かい牛乳を飲んでた。
ほかのいろいろをすすめても、ダメだった。
豆乳を飲むと言い出して、あいにく今日の豆乳は、少し沸かし過ぎみたいで、焦げ臭いにおいがして、ふみに飲ませなかった。
豆乳と牛乳の前に、ステンレスのボールに、砂糖が置いてあるのはびっくり。
付いてる大匙で、自分のカップの豆乳や牛乳に砂糖を入れてる人、結構いる。
まだ少し早いが、タクシーを拾い、天安門広場へ向かった。
ふみ、タクシーの中で表情もなし、言葉もない。
まさかまた吐くのではと、はらはらするわたし。
ふみに聞いたら、気持ち悪くない、ただ眠いと寒い。
眠いのは、それはそうだ。夕べがあんなに遅く眠ったのに、今朝は5時頃に目覚めたの。
寒いのは、確かに、寒いわ、ほんとに。
大陸の冬の北風、それはそれは骨にしみる冷たさなんだ。
「ママ抱っこ、もうタクシーを降りる」
仕方なく女性運転手さんに言ったら、
「ちょうどあそこが地下鉄駅だから、乗って広場駅でおりな。なに?車酔い?ああ、わたし小さい時もこうよ、吐いたりして、この子よりずっとひどいよ、大きくなったら自然に直るから…」
タクシー降りて、地下鉄駅へ。
地下鉄乗り場で、空港と同じく手荷物検査が行なわれてる。
二駅乗って、まだ目的地じゃないのに、
やはり表情も言葉も少ないふみは今度、地下鉄はいや、やっぱりタクシーがいいと。
地下鉄から出て、タクシーを拾い、ちょっと走ったら、天安門広場の道のこっち側に止まった。
天安門広場の近くでは車を止めるのは、一切禁止となってる。
天安門広場のいくつかの入口でも、手荷物検査を行なっている。
今度は軍人さんが立ってるので、物々しい雰囲気なんだ。
天安門広場、
広〜い
人が多〜い
しかし半端じゃなく寒〜い
ふみは「いやだ、寒い、帰る、写真とりたくない」って、小さい声で抗議、ほんとにつらそうな顔をしてる。
手袋も帽子も、ふみは少しも抵抗せず、素直に従った。
防寒のためのマスクも。
故宮は、諦めた。
タクシーを拾い、王府井へ向かった。デパートの中はいくらか暖かいでしょう。
王府井、朝から賑やかなこと。デパートやレストランやいろんなお店など集中していて、いろんな方法で客の目をとめてもらおうとがんばってる。
カブトを着てる兵士、
清朝の格好をしてる女性、
大きな人形、
すごいボリュームのアナウンス。
ふみ、お腹がすいたと言う。
すいてるはずだわ。
昨日の機内食みんな吐いたし、
今朝はあまり食べてないし、
おまけに夕べの水シャワーと今朝の熱湯刺激、へとへとのはずだわ。
ふみの憧れの北京ダックとしゃぶしゃぶの名店の「全驟徳」「東来順」の目の前で、
ふみは小籠包を食べたいと言い出す。
天津の有名な「狗不理包子」店(数多くの支店の一つ)に入った。
包子のいろんな味の合わせを頼んだ。
出てきた包子がちょっとぬるい。
男の子の店員さんを呼んで、
「だめよ、もっと温めて、スープも」
わたしはもう中国モードに切替えしてるから。
店内は暖房をじゃんじゃんやってるけど、やはり寒い、みんなコートのままで食べてる。
なんか脂っこい感じで、あまり食べられなかったわたしに、
「だから狗不理は別にそれほどおいしくないって言ったでしょう。前、天津に行って食べても普通だったから」と姉が。
あ〜全驟徳と東来順はすぐそこなのにな。
でもふみは元気になったぁ――
王府井デパートの地下で、北京の昔の伝統的なお菓子の前で、わたしは足が止まった。
わたし、自分でケーキを買ったことがほぼない、和菓子も。
一番好きなお菓子は、中国お菓子、それも昔ながらの。
たまに横浜中華街でそれらしいものを買うけど、どこが違う感じがする。
昔ながらのお菓子、買ったー。
けど、どうやって持って帰るんでしょう、ふみとの着替えだけで、もうスーツケースがいっぱいだわ。
ふみは帰りのタクシーの中で眠った。
眠ってるふみは重い!はあはあ言いながら、なんとかお部屋まで抱っこして、ふみはそれから二時間ほど熟睡した。
起きたふみは、もっと元気になった!
「よかったねふみ、寒さにも、違う環境にも勝ったね。頑張ったねふみ」
「うん!」
夕飯は、ぞろぞろ到着した先生方たちとご一緒にレストランで。
10年ぶりにお会いした先生が何人もいらして、ご挨拶したり、握手したり、抱き合ったり、
懐かしかったわ〜
ふみも、こんばんは、だったり、ニーハゥだったり、センベイノのモンゴル語ご挨拶も。
おいしいもの食べて、ジュースを飲んで、ふみのいつもの調子が出てきたぁ―
違うテーブルに行って、大事に持ってる人民幤のコインを見せたり、「名前?名前を教えないよ」とふざけたり。
ふみ、皆様は教授、学者、偉い大先生ばかりですよ、わかってるかしらね。