大掃除

今日は大掃除。
終ってみると、見た目はさほど変わらないのに、もうゴミ袋二つ分いらないものが出た。

大掃除、いくらやっても終わりがないね。くたびれちゃう。
ふみも少しお手伝いをしてくれた。
わたしが椅子に立って、棚の上のものを下に立ってるふみに渡して、少しずつ降ろした。



昨日、クリスマスの朝、ふみは目覚めた途端、
「パパ、ベッドの下を見て、パパがみてぇ〜」、ふみは、サンタからのクリスマスプレゼントがベッドの下に置いてあると思ってる。
夜中も一度、急にコロンっと起き上がって、ベッドの下を覗き込む。
「何をしてるの?」と聞くと、
「教えない」と、ふみは、にやにやと。


パパがプレゼントを用意してよかったね。無いならふみは、ちょっとかわいそうだわ、こりゃ。


ふみへのクリスマスプレゼントは、シンケンジャーの歌のCD、それとふみの大好きな総武線の電車、放送もあって、発車する時の音楽もある。
ふみは飛び上がったほど大喜びだった。

総武線を押して、「チャンチャンバランチャンバラ」と“サムライ戦隊シンケンジャー”の歌を流して、
が、このクリスマスプレゼントは、朝だけのものだった。


お迎えに行った時、先生に呼び止められて、少しお話をした。

ふみ、同じ組のK君を噛んだ。しかもホッペを。
作った線路を飾るか片付けるか、のことで。


怒った。ほんとうに。
パパも珍しく怒った。ふみのお尻を叩いた。


ふみは昼寝もしてないようで、すぐ眠った。


ふみのクリスマスプレゼント、取り上げた。


今朝、ふみが起きて、何事もないように、笑顔で「おはようございまし」と言って、自分でトイレに行って、その後、こっそりと玩具が置いてる部屋に入った。
あの総武線の電車を覗きに行った。

無いとわかって、ふみは何も言ってない、また何事もないようにご飯をたべたりした。


午前、ふみに「ふみ、ふみ」と呼んだ途端、
「なに?またK君のこと?またその話?僕、K君のこと好きになれないから、ずっと好きじゃないもん」とふみが。


どう言えばいいのか、ほんとうに…。

ふみはもう小さい子じゃない、同時に、まだまだ幼い。

どう対応したら一番いいのか、その一番という答えは、おそらくない。


「ふみ、ふみだけじゃないよ、大人も同じ、好きな人ばかりじゃない、けど付き合わなきゃならない、好きなことばかりじゃない、けどやらなきゃならない、人生に、むしろこのほうが多い。いくら好きじゃなくても、暴力はダメ。とくに噛むなんて、絶対ダメ、犬になるよほんとうに」

犬になると聞くと、ふみはやっと焦ったというか、真剣な顔になった。

昨日も、「人を噛むと犬になるよふみ、明日朝、まず尻尾がでるから、それからだんだん喋れなくなるから…」と言った時、ふみは真剣に泣いた、お尻を叩かれる時より、はるかに悲しく、悔しく、怖くなってるように見えた。



「もうわかったから、もうK君の話はいい!」とふみはきっぱりと。

しょうがないね…、もうK君の話はしないよ、もう。
ふみ、もう人を噛まないと思う。

「ふみ君は、人の話はちゃんとわかってるお子さんだと思う。とくにお母さんの気持ち、すごくわかってると思う、口ではそう言ってないのかもしれないけど、お母さんをすごく大事にしてるよ」と、昨日担任の先生が言った。


そうかな、そう信じよう。


一日中、ふみはおりこうだった。機嫌がよかった。
一日中、ふみは総武線の電車の玩具を、一言も口に出さなかった。


総武線の電車、やっぱりふみにあげたほうがいいのかな。なんかかわいそうに思って。



ふみに年末年始のご挨拶を教えて、
「よいお年を」はすぐ理解したけど、
「明けましておめでとう」は、
「誰があけたの?なにをあけたの?プレゼントの箱かな」と、どうしても理解できないようだった。


そろそろ、年が明けるわ。