道場へ

今朝起きたふみは、なんだか機嫌よい。
「ふみ、機嫌いいね」
「うん」
「ぐずぐずしないとママもパパも楽よ」
「うん」
「ぐずぐずしないふみは、なんてかっこいい、さすが、もう4歳だもんね、お兄ちゃんだもんね」
「…」

本当。「いやだいやだ」と始まるふみのぐずぐずがないと、心が晴れる感じだよ〜(これが日常であるのが普通のはずでしょうけど)。


暮れに頂いたチーズセットの中のシュレッドチーズを、食パンに載せて焼いたのが、ふみの最近の大好きな朝食です。


朝、かろうじて食パン一枚の三分の一食べれるかどうかのふみは、このチーズ載せて焼いたパンなら、丸一枚らくらく食べてしまいます。
ふみはどっちかというと小食のほうですけど、ふみの胃は伸縮自在で、好きなものなら、ずいぶん膨らむ。


しかし好きなものをたくさん食べれるのはわかるけど、そうでないものは、一口二口食べてもうお箸を置く、かといって、お腹すいたとか全然言わない、全然耐えられるのだ。
不思議な消化機能だわ。


昨夜寝る前に、ふみはパパに、「明日もあのチーズのパンにしてね、ハムは載せないで」と念入りに注文したのというのです。


週明けはいつもより少し早目に出て行くことにしています。布団や毛布のカバーをセットしなきゃならないから。
「ふみ、靴、早く」
「できない、ママやって」
「えぇ〜?」とわたしは言った途端、
「せっかくおりこうだったのに?」とふみは言った。
吹き出してしまった。わかってるじゃない!


布団をセットした後、機嫌よく保育園の玄関までお見送りしてくれるふみとお別れ、外に出たら、Sちゃんとそのお父さんと会った。
Sちゃんはリュックからいろんな小さい写真を取り出して見せてくれた。
中に柔道着の一枚がありました。

お父さんに聞いたら、柔道道場に通っていると。


近くの柔道教室だけど、つい昨日ふみと通った時もポスターを見たのですが、小学校一年からと書いてあった。

Sちゃんはふみより半年も上だけど、同じ組だから、4歳でも入れますか?と聞いたら、保護者が付き添ってれば大丈夫だとSちゃんのお父さんは言う。


わ〜い、なんとなんと、ふみ、もしかして柔道教室に通える?
わお〜、週末に一回だけだけど、これでふみはだいぶエネルギーを消耗されるのと違いますやろか。


夕方、ふみをお迎えして、その足ふみと柔道道場に行きました。

建物は学校にもなってますので、人の出入りが結構ありました。すれ違うたびに、学生たちはわたしたちに「こんにちは」とご挨拶をして下さる。さすが柔道、まず礼儀正しいものね。これがいいこれがいい。


女性の先生とお話をして、今週の土曜日から体験コースで参加できることになりました。

道場まで案内されて、広い道場に、大人の生徒さんがいました。

ふみは、小さくなってました。圧倒されたのかしらね。表情もなく、言葉もなく、目は少し下へ向いてる。
「ふみ、ここでやるんだって、頑張ろうね」
「わかったから、帰ろう」とふみは小さい声で言った。

ほほほ、慎重派のふみの、いつもの反応なんだ。
新しいことや新しい環境に対して、ふみはいきなり“のりのり”のはなかった。むしろ後ろへさがるほうです。
その段階さえ乗り越えたら、いつもの調子が出てきて、わりとうまくいく。

頑張れふみ。けど、励ますだけは、またダメなのよこれが、励ましながら、むりやりに背中を押しながら、タイミングよい時に叱りながら、やっとふみに効くんですよ。


土曜日、すぐ挫けないで、なんとか頑張ってもらいたいね。
道場に年齢的に(月齢)ふみはおそらく一番下だけどね。