帰ってきた


今日、昼から晴れて、外を歩いてたら、空の、眩しくて直視できない太陽が、水溜りに映ると、普通に見れることに、ふみと気づいた。

太陽って、こんなに真ん丸なんだ!



昨日、夜10時半頃うちに着いた。

ふみは飛行機の中で一時間ぐらい眠り、帰りのバスの中では眠くなったが、寝ないでね、困るからと言ってあげたら、ちゃんと頑張ってくれた。


うちに着いてすぐ風呂に入れ、上がって間もなく眠った。

帰りのバスの中、「中国語をやりたいな」と、ふみは急に自ら言い出した。
OKOK、いくらでも教えるわ。
小さい子には、教えるより、一方的に喋りかければいいんだそうで、保育園のハーフの子の親は、ほとんど大声で母国語で喋りかけてる。
英語・ドイツ語・フランス語・中国語、
保育園の玄関でそういう親子と会うたびに、羨ましく見つめるのはわたしだけ、ふみはちっとも気になってないようだ。


「ふみ、あなたは半分は日本人だけど、半分はモンゴル人だよ」とわたしはいつもそう言ってるけど、
「違うよ」とふみはいつもこう答える。
何の実感もないからでしょう。
なのに無理やりに誇りと持たせようとも、難しいかもしれないね。


「ふみ、他のものは何も食べないで、羊肉ばかり食べたでしょう。ふみはやっぱりモンゴル人だからだよ。これが証拠、わかった?」
(だってママはもうあまり食べれなくなってるわよ。パパは羊肉も、スープも、おいしいおいしいと大ウケのようで、たくさん食べたけどね)


暮れに見た中国ドラマの主題歌、わたしがよく歌ってたから、いつの間にかふみも口ずさむようになった。
「♪容顔是種罪
  青春是露水
  命薄如紙世人才説美
  清晨上了粧 
  黄昏卸了粧
  有誰値得我人老珠黄…」
あら〜、しぶい。
発音は、まあまあ合ってるけどね。



先週の火曜日あたり、ふみの左足のふくらはぎに赤い湿疹のようなのが一個あって、
別に気にしなかった。痒いと言って、ふみは掻いたりしたが、2、3日後、その周りに何個も増え、大きくて、真ん中がかさぶたになって、その後お尻にもでき、どんどん凄まじくなってきた。
広州で病院に連れて行こうとしたが、ふみは拒否。痒くも痛くもないからだって。


昨夜ネットで調べたら、“とびひ”らしい。

今日さっそく近所の皮膚科に連れて行く。
お医者さんは一目見て、「これはとびひだね」と。

塗る薬と飲み薬を処方。

もう治りかけてるので、ガーゼさえ巻いてれば保育園には行けると。
本当は暑い季節に小児によくなる病気だそうで、この寒い時期だから、治りは早いでしょう、と。


黴菌のブドウ球菌の感染なので、この際、ふみに、「手をよく洗ってないから、汚いものも口に入れるから」などなど、説教のよいチャンスにした。


「ママ、ぼく、体にいっぱい穴が開いて、かわいそうな人になるの?」と、ふみはわんわん泣いた。涙と鼻水で顔がごぢゃごぢゃ。



東京は寒い。夜中から今朝まで、雪がずっと降ってた。止むと同時に、だいぶ溶けたけど。