ビジョ

ブーツ履くのは、もう季節外れだね。
東京は、連日17℃ぐらいの春の陽気で、生暖かい風が雨を運んで来て、来週もずっと雨模様との天気予報です。


外を歩いてると、ワンピースに薄めのショール一枚の人と、ダウンコートの人が肩を並べてる。
この季節によく見かける光景。暖かったり寒かったりして、なにを着たらいいか。


歯の健診、終わった。
レントゲンでは発見しにくい小さい虫歯らしいのがあって、ベテラン先生なので、すぐわかって、削ってみたら、先生の疑う通り、中は黒いの点が…。
その場で詰めてくれて、歯の定期健診、やっぱり必要だわ。


来日してから、まもなく虫歯になった。故郷ではずっと一本もなかったの。

日本の水が軟水というのも関係あると思うのと、あとは日本の果物や野菜、やたらと甘いと感じる。
改良して改良して、より糖分が高くなるように。
果物は、酸味があるものなんだということを、どんどん忘れさせてる。


だから日本で暮らしていると、虫歯になりやすい。

ーーと、わたしは勝手に思っている。


広州今日は、最低気温が24℃だそうで、わたしたちが日本に戻ってきてから、広州は一気に暑くなったようです。
湿度が高くて、床や壁に結露して、拭いても拭いてもまたすぐ滲んで来ちゃうと姉が言って、「広州の人は、これを“回春泪”と呼んでる、笑っちゃうね」と姉が。
回春泪、春が再び帰ってきてへの感激の涙ってことかしら。

広州の人は、何でもきれいな言葉や、縁起の良い言葉を付けて言う習慣があります。


少し前まで、中国では、知らない女性を呼ぶ時、「小姐」という言葉を使います。
小さいお姉さんという字だが、日本語の「ちょっとそこのお姉さん」みたいな呼び方と違って、わりと文明的な呼び方なんです。
それが、いつの間にか“小姐”は、特殊な職業をしている(お水関係)女性の代名詞になったのです。
すると“小姐”と呼ばれる普通の女性は、嫌がるようになりました。


そう言えば今の中国では、知らない女性を呼ぶ時どういうふうになっているのかなって、ちらっと思ったりもしたけど、聞くの忘れた。


広州の美容室で、シャンプー台に案内され、座って、後ろから美容師が、
「美女」と呼んで、
誰ですかね、こんな露骨な名前を付けるなんてとわたしは少し興味湧いていた。

「あの、美女、あの、すみませんが、奥の席に移動してもらいますか?」

振り向いたら、美容師はわたしを向かって微笑んで言っています。


び、び、美女?! わたしがですか?
あ、ら、ま、ほほほほ、面白いね。
気が付いたら、他の女性お客さんにも、普通に“美女”・“靚女”(広東語の美女)を呼んでいます。


面白くて、笑うのを我慢できなくなりそうでした。


姉に言ったら、とうに前からこういう呼び方をしてるわよと姉が。
ちなみに知らない男の人には、“帥哥”(ハンサムのお兄さん)と呼ぶのです。


言霊というぐらいに、言葉にはそれなりのパワーがあるようですから、
広州の人のように、縁起の良い言葉やきれいな言葉しか口にしたくない、
そういうふうに頑張ってみるべきかもしれないですね。

ーー美女は本気にそう思うわ。