梅窓院
日曜日は、なんだかんだで忙しい。
朝から、何をやったのかもよくわからないけど、とにかく忙しい、時間がない。
なんででしょうね。やってることは毎朝にやってるのと、さほど変わらないのに、なぜか普段より倍以上時間かかる。別にのんびりもしていない気がするのにね。あ、少しのんびりしながらやっていたのかな。
とにかく日曜日の朝の時間は、不思議な流れ方なんだ。
スーパーの朝市に、ふみとお買い物に出かける。
寒い、昨日よりさらに寒くなってるわ。ふみだけ寒くない寒くないと言い張る。
抹茶味も、豆乳も大好きなふみは、抹茶豆乳をおねだりする。買ってあげた。
今度はお魚コーナーで、またちょっかいを出す。
品物を補充しているスーパーのお兄さんがその時、「大きくなったね」とふみに向かって、「もう何歳になった?」
ふみは黙って四本の指を立てて見せる。
「四歳?早いね、こんなちいっちゃい時からお母さんと来てたよ。覚えてる?」
ふみは笑う。
「生れる前からは、お母さんだけ来てるけどね」とお兄さんが。
えっ?あまり見かけたことのないお兄さんだけどね、人間はいつも誰かに見られてるんだね。
たとえ誰もいなくても、神様は見ているに違いない。いつでもどこでも。
買ったものを家に下し、ふみと梅窓院に向かいました。
江戸三十三観音の第24番になる梅窓院は、浄土宗のお寺で、青山にある。
外苑前駅で降りて、ちょっと歩いたら、もう梅窓院が見えた。
竹の並木を見た途端、ふみはわたしの手を離し、走ってゆく。
ま〜かわいい。
さっそく観音さまをお参り。
すっきりした雰囲気の観音堂です。ふみはリンを鳴らすのが楽しくてしょうがないようで、制止しないと、たぶんずっとやり続けそうなふみでした。
ご朱印を頂き、ふみは、「え?もう帰るの?えー、つまんない。おもしろくないな
〜」と体をむずむずさせて言う。
「おもしろいこと?ふみ、おもしろいことは、ずっと人を待ってたりしないよ、人が探さないと、おもしろいことは、簡単に出てこないものよ」
「おもしろいことは、どこか隠してるの?」
「そうよ、その通り、探せば、ふみの周りだって、実際いろんなおもしろいことが隠れてるのよ」
さあー、おもしろいことを探そう。
竹の子、食べるためではなく、育てるためでしょう。
「やだー、ママも探さないで、僕が見つけたいの!竹の子を」
どうぞどうぞ。
結局3個竹の子があって、うちの1個がふみの発見でした。
あっちこっち走り回って竹の子を探すふみに、笑顔が絶えなかった。
青山から、その足で表参道へ歩く、最後は原宿から地下鉄に乗って帰ってきた。
結構歩きましたから、ふみもわたしも昼寝をしてしまいました。