同じ名前

ベランダから見えたクレーン車が見えなくなったことが、ふみはまだ気掛りで忘れられないようです。
「ママ、なんであのクレーンもう来なくなっちゃったの?また来るの?」
何回も何回も聞かれます。

「じゃ、今度ふみさんに会ったら、自分で聞いて見たら、ふみさんのおうちの工事だから」
Kさんの下の名前は、たまたまふみと同じで、この前、この話しになって、おじさんのふみさんは、ふみに握手を求め、ふみは喜んで応じた。
「ぼくと同じ名前だね」と、ふみは思いだすたびに嬉しそうです。


クレーンのことを、自分と同じ名前のふみさんに聞こう。ふみちゃんはそう期待してるようです。

会いました!ふみさんと。
ふみちゃん、ちょっと緊張してきて、でもやっぱり勇気を出して、クレーン車のことを聞こうとするふみちゃんは、ふみさんに向かって口を開いた。
「あの、Aさん…」、Aさん?!ふみちゃんの苗字じゃない!

ハッハッハ、下の名前だけ同じなのに、ふみ、苗字を言ってしまったね。とにかく名前のどこかが同じだとは、覚えてるねふみちゃんは。
ただおじさんのふみさんは、ちょっとわけわからなかったみたいね。


朝、顔をパシャパシャと洗ったふみは、いつものようにシャツの濡れ具合を自慢しにやってきて、
わたしがベビークリームの蓋を開け、ふみの手のひらに垂らそうとする時、
「待って」とふみが、「さきにこうやる、そうしたらあとでやらなくていいから」いいながらふみは、両手の人差し指で二つの眉を横に向かって撫でて、ととのえる。

その後、手のひらを出して、クリームをもらって、パシャパシャ。
眉毛、また雑木林になった。



「風鈴ほしいけどな、でも、幽霊が来るのイヤだしな」と、ふみは呟く。
聞こえたわたしは、笑ってしまった。
いつだったか、ふみが風鈴ほしいと言った時、「風鈴は幽霊を呼ぶよ」と言ったら、ふみはその一言を、本当に覚えてたとは。


日本地図のパズル、ふみはもう北海道・東北地方・関東地方を、ほぼ完璧に覚えました。今は中部地方に進行中。すごい。



あついね〜関東地方だけでも熱中症で何十人も亡くなってるとニュースで言ってる。なんでこうなっちゃったんでしょうね。


午前、お仕事のお使いで銀行へ。
水を飲みながら、日傘をさしながら、カメラを持って出発。
道草はしませんよ。ただ歩きながら、いろんなものをカメラを通して見るだけ。

ほらほら、猛暑の中で精いっぱい咲くお花たちを、見逃さないでよ。



猛暑の中で頑張ってるヤクルトのお姉さんも。



あっ、虫がひっくり返ってる。これは…、お腹しか見えないけど、黄金虫だね。
手助けしましょうか。


普通の姿勢に戻った。ふみに話して自慢しないと。ママ、えらいでしょう。



これは枯葉、少し気が早い小さい秋。



誰かが、ハートを落としたよ〜




橋の柵も口を大きく広げて、はーはー言ってるわ。



ポイ捨ては、蟻さんたちのごちそうになった。


そういえば、最近、野良猫を見ないね、どこで避暑しているんでしょう。


銀行に着いて、冷房はジャンジャン付けられてるけど、それでも暑〜い。

清涼感を出すため、ネイルは



再び外に出ると、熱気熱気熱気。


すれ違ったシスターさんたちの、穏やかな慈しみの笑顔を見ると、暑さを許そうと思った。




夕方、ふみとザリガニの水を換えに。

しかし夕方になっても、夜になっても、気温は一向に下がりませんね。