空は高く
風はあるものの、蒸し暑さは相変わらず。
登園道でバイクとすれ違い、立ち止まったふみは、しばらく振り向いてそのバイクを見てました。
「ぼくね、大きくなったらね、バイク乗る」
いつもこう言うね。バイクに憧れるんだねふみは。
「ぼくね、大きくなったらね、ポテトチップスを食べながらバイク乗るの」
その構図を想像して見ると、「ちょっと柄悪そうだね」
「いいの、ぼくはポテトチップスを食べながらバイク乗るから」
なんだか嬉しそうになってきたふみです。
ポテトチップスね、買って食べさせたことは、ほぼないワ。
もらって食べたことはあるけれど。
そういうの、ずっと買わない方針でいる。
本人が大人になって、自分の判断で食べるのなら、仕方がないけど。
道端で死んだ蝉を見かけるのは、だんだん多くなってきた。
コオロギの鳴き声も、目立ってきた。
空は高く、まだまだ暑いのだが、季節は止まらずに移り変わってゆく。