笑ってしまう瓶

ふみたちの組のザリガニは、年長組のザリガニとの間に、赤ちゃんが生まれました。
「どうぞ、もらっていいんですよ」と担任の先生が。

え〜、あんなにちっちゃい、育てるのも難しいよ。
ふみを見たら、別に反応がないから、ほっとした。

「もらいますか?」と傍にいるH君のママが。
「や〜もう今の一匹で充分で」
「え?ザリガニ、まだ生きてるの?」
「ええ」
「すご〜い、えらいですね。うちのは…、私ですよ、かわいそうなことしてしまって…」。
掃除する時、ザリガニを外にだして、そのまま置きっぱなしに買物に行って、夕方になって見て見たら、もう…。だそうだ。

暑すぎるもんね、水を外に置くと、そんなに時間かからないでお湯になってしまう。


猛暑日が続いてから、うちのザリガニは、お寺の湧水の陰に置いてもらうことに。
というのは、公園の湧水の浅い水路の水は、この暑さの中、もうお湯のようなものだ。

ザリコ(知人が付けてくれた名前。最初はザリオと呼んでたが、どうもメスじゃないかとわかって、じゃ、ザリコだ、と)の水は、お寺の龍の口から注ぐひんやりした湧水に、一日何回も換えてもらえてる。
おかげで、ザリコはこの猛暑の中、なんとか生き延びてる。


今日はわたしが水を換えてやった。
「シャワーシャワー」と言って、ザリコの背中から冷たい湧水をゆっくりかけてやると、
ザリコ、気持ちよさそうに体を伸ばす。
調子を乗って喋りかけながら、ザリコの背中を指で撫でた。
ザリコ、びくっともしないで、そのままいた。

うれしい半分、(バテて弱ったかな)とも思った。

頑張れ!ザリコ!



夕方パパは水泳に。わたしはCDをかけてお掃除。
ふと、ふみを見たら、ビリーバンバンの癒しの歌声の中、眠ってしまいそうじゃありませんか!

「お昼寝してないでしょう」
「え?あー」

慌てる。
ぼーっとしてるふみはお風呂を拒否。説得。聞かず。怒る。従う。

シャワーを浴びせて、一安心。
掃除機をかけて、今度わたしがシャワー。

ふみの気配を全然感じないから、眠ったのかしらと思って、風呂場から
「ふみ〜なにしてるの?」
「この瓶を洗ってるの」
??怪しい、急いで上がった。


ふみ、椅子に立って流し台で洗い物をしてる。

なになに?


ふみ、勝手に冷蔵庫から瓶のジュースをだして、飲んで、その瓶を洗ってるということ。


ジュースなんて、買わないことにしてるけど、このジュースは、ふみとたまたまコンビニで見かけたもの。
ふみ、そのユニークの瓶を見て、声だして笑ってた。「ハッハッハ、なに?こいつ!ハッハッハ」


その後、わたしはそのコンビニから、ふみに爆笑させてくれたジュースを珍しく買って帰った。


「ふみ、自分で冷蔵庫から取り出して飲んだの?」
「うん」、ふみは何事もないような顔で。
「ひとこと言ってほしかったな、ひとこと言わないと」
「うん」、ふみはやはり平気な顔で。

もうこれからは、こういうことを一々言わないことにしたほうがいいのかな。やっぱりまだダメかな。

判断が難しいわ〜

ジュースを飲んだせいか、ちょっと眠気が覚めたようだ。
両足交代でけんけんして、「ラセラーラセラー」

あれ?去年浅虫温泉で観た小規模のねぶた祭りの記憶?まさか、
話を聞くと、今日保育園で、作ったカブトなどのお神輿を担いで、それからこのラセラを踊ったと。



柵の向こうの夕陽。