羽化

昨日、ふみとお買い物に行った時、ふみの子供カレーコーナーで、きらきらの女の子の箱のカレーが目に入って、
「ふみ、これどう?」
「どれ?あ、プリキュアだ」
プリキュアって言うの?これ、いいじゃない?中のシールをSちゃんにあげたら、喜ぶんじゃない」
子供カレーはだいたい箱にのキャラクターと同じのシールが中に入ってる。

「え〜キモ過ぎ」とふみが。
き、きもすぎ?キモイ過ぎるってことかな?
「ふみ、なにそれ。日本語がおかしいよ。そもそもキモイという言葉は使ってほしくないな、聞いてる?」
聞いてないねふみは、なんとかセージャのカレーをチェックしてる。

言葉の問題をおいといて、Sちゃんにあのかわいいカードをあげるのは、なんで気持ち悪いになるかしら。
照れてるのかしら。
むずかしいね、子供のこころも。


ふみと登園。お部屋に入ったら、子供たちはテーブルに置いてあるたくさんの虫ケースを囲んで、がやがや。
先生に聞いたら、飼っているイモムシが蝶々に羽化したと。
ほんとうだ!アゲハ蝶一羽がケースの中で翅をばたばたさせてる。
「もう放そう、放そう」との子供の声に、先生はケースを持って、子供たちと外にでた。
それまでお友達とふざけてたふみは、慌てて外にでようとする。
「ふみ、靴下のままはだめよ」とわたしは言うと、ふみは少し迷ってから、しぶしぶと上履きを履く。
その間、アゲハ蝶は子供たちの歓声の中、空に向かって巣立った。

ふみ、ぼーっとして、その後、泣いた。みんなに見えないように、棚に向かって、涙をぼろぼろ。
近付いたら、ふみがしくしくして、「ママのせい!上履き履かないとなんでだめなの!」

だって、部屋に入ったらすぐ履けばなんにもないのに、みんな上履き入ってるのに、ふみだけ、ふざけてばかりでいたせいでしょう?と言いたいが、それは本人の一番悔しいところだろう、わかってるのでしょうと思って、黙った。


先生が、「どうしたの?ふみ君、だいじょうぶよ、まだ5、6匹いるんだから、そのうちまた放すから」

それを聞いて、ふみはちょっと落ち着いた。
やれやれ。おかげで10分遅刻したわよ。


ちなみに我が家のイモムシ、結局行方不明になった。イモムシの向かい先はうちの中ではなく、きっとドアの隙から外にでた、とわたしは信じたいです。きっとそうです。うん。


今日はさらに暑くなって、31.7度だって。風がまったくない分、むしむしして、猛暑の悪夢に戻ってる。


こちらはたいへんご苦労さまですね。



夕方、汗を拭きながらふみをお迎え。
“ふみ君が好きになっちゃった”のNちゃんがわたしを見かけると、ふみのところに走って行って、「ふみ君ふみ君、お迎えよ」
「待ってぇ」ふみの返事はかなり無愛想。
フンっとの感じでNちゃんはわたしのところに来て、
髪だいぶ伸びたね、今日の服はかわいいねなどの会話を交わす。

ふみはと言うと、ブロックでまた怪獣退治の武器を制作中、傍には一歳下のすみれ組のT君。
T君はとても静かな子。
わたしが初めてT君を覚えたのは、ある日、ふみをお迎えに行った時、すみれ組のお部屋から、細い男の子が歩いて来て、
「ね、前、サイゼリアで会ったよね」
「あ…、そう?そうよね」
男の子の名前はTという。

その後、その子見かけるたびに、落ち着いてる口調で、前サイゼイリアで会ったよねと言われる。
おもしろい子なんだ。


ふみは怪獣退治武器の作りに没頭して、T君は傍に静かに坐ってみている。

「ふみ、もう帰るから」と声かけたら、
「待って、T君にこれを作ってから」

へぇ〜T君のためなんだ。やさしいじゃない。


T君は顔をあげて、わたしに微笑む。

仕方なく、少し離れてるところで、ふみのリュックや帽子を持って待つ。


Nちゃんは急にわたしが持ってるふみの帽子を取って、作業中のふみにかぶせた。


ふみは、びくっともしなかった。
「ふみ君、うふふふふ」とNちゃんが。
ふみは振り向いて、「あっち行って!」
Nちゃんが即わたしのところに走って来て、
「ね、ふみ君のママ、ふみ君こうやってNのこと押したの」
慌ててNをあやす。Nちゃんの機嫌を直す決め手は、「Nちゃんは、どんどんかわいくなってるね」とのセリフです。
「え〜でもHちゃんもかわいいよ」
「んん、Nちゃんが一番かわいいよ」


ふみと帰り道で、
「ふみ、Nちゃんにやさしくしてよ、女の子だから」
「だって、ちょっかいだすから」
(+o+)


その時、“犯人”が目の前を通った。

前に私服刑事が歩いて、その犯人の青年は、手錠をかけられ、その上に服をかけられ、腰を青い紐で縛られ、その紐の先は後ろを歩くもう一人の私服刑事が掴んでる。


三人で道端の病院に入った。
こんな光景を見るの二回目だ。前は全然別の場所で。

その青年、いい人そうなのにね。




昨日は、ふみはうちではしゃいで、ガラスの瓶を割った。それを処理して、今日は、遊んでる電車がソファーの下に入ったと言って、勝手にソファーを移動し(ひそかにその力に感心)、ソファーの足が一つ取れて…

もらったばかりのサツマイモを取り出し、床が土だらけ…


泣きたくなるわ〜

怒られそうな雰囲気を感じたんだろうか、ふみはーー

時々目をこっそり開き、わたしの様子をうかがう。


結局、泣くのをよして、掃除機をかけるあたくしであった。



明日、仲秋の名月だわ。月餅を頂かないと。
明日の夜、晴れればいいですね。