相談?

電信柱にたくさん止まってる鳥さん。

スズメより一回りニ回り大きい。何の鳥でしょう。

人間の目は気にせず、トイレし放題。これは下を通れないや。


湿度が高くて、むしむしします。そのせいか蚊が蘇ったみたいで、最後の晩餐を賞味する、痒いっ!



今朝、保育園で、U君のお母さんと会った。
「U君、だいじょうぶだったんですか?」
「ええ、Uはやっぱりもう辞めるとか言ってましたけど、ふみ君のママはUがとっても頑張ったよって言ったよと言ってやったら、U、ふみ君が行くなら、また行きたいと言って…」

柔道の話です。
今週の柔道道場で、先生に動作を直されたりしたU君は、自分は怒られてると思ったみたいで、泣いた。
U君、シクシクと泣きながら、続けていた。


でもやはりダメになって、走ってわたしのところに来て、「もういやだ、ママがいい」と言って、
U君を抱きしめてあげた。


U君はわたしの膝に坐り、えんえんえんと泣いた。


抱きしめてU君の頭を撫でながら、「今日はもうこれでいいから、もう充分頑張ったから、一緒にみよう、ふみ君の柔道を一緒にみようね。U君はもう充分頑張ったから。えらいよえらい。」


U君は少し落ち着いてきた。


「ふみだって、柔道をやり始める時、先生に言われたり、上の子に威張られたりするたびに、泣いてたよ。“もうやめる、もう帰る”とたくさん言ってたよ」U君は黙って聞いてた。


そんなふみだが、いつの間にか、先生の厳しい言葉にも平気になって(実際はこの先生は充分優しい、ただふみたちは普段“おまえ”とか“ちゃんとやれ”とか、言われるチャンスがないから)、上の子の多少の意地悪にもケロッとなってきた。


男の子はこれぐらいが必要だわ、ガラスのこころじゃ困るもの。


U君をいっぱい褒めてあげた。


「あー、U君、将来柔道のチャンピオンになれるかもよ。」わたしは目をパチパチさせて「わ〜あれはチャンピオンのU君じゃありません?U君〜握手してください、わ〜幸せ〜」今度はカメラを持つ仕草で、「U君!U君すみません、新聞社です。写真を撮らしてください!いやだ、私はU君の大ファンです、写真お願いします〜U君〜」わたしはU君の腕を組んだり、黄色い声を発したり、

U君は目をきらきらさせて、忙しいわたしを見つめる。


でもまもなく「ぼく、柔道のチャンピオンじゃなくて、警察官になりたい」とU君は言う。


「警察官?すばらしい!あ、そうだ、U君、あのメガネの先生、元警視庁の大先生だよ、今度挨拶をする時、ぼく将来警察官になりたいです、よろしくお願いしますって言ってみたら?」


「え?う…ん、ぼくは…、警察官じゃなくてね、消防士になりたいの。だってね、火事の時にね、まだ逃げてない人がいれば、消防士さんは、また火の中に戻るよ、えらいよ」
「わー、それはえらいね。U君はそういう消防士になりたいんだ、すごいね。あ、U君ですね、うちのわんこを火事から助けて頂いて、ありがとうございます、もうなんて言ったらいいんでしょうか」ここは涙拭く仕草。


「あ、はい、はい」感謝されるU君はちょっと照れて、「でもね、ぼく、やっぱりサッカー選手になりたい」


もう勘弁して〜〜これ以上の小芝居、もうできないわ〜


「ぼくは怒られて、最初から泣きたかった、でもちゃんと我慢したよ」、
U君、かわいい〜


こういう調子で、お母さんが仕事が終わって急いで来た時は、すでに何事もないようだった。



夜、ふみはちょっとしたことで大泣きした。あやしてもとまらない、涙がぽろぽろ。

ふみを抱きしめようとするが、ふみは激しく抵抗。


あ〜〜、これは、柔道道場で、わたしがずっとU君を抱きしめてることで、寂しい気持ちでいっぱいってことでしょうね。


「ふみは今日、えらかったね、休憩時間にふみが来て、ママがU君を抱っこしてるの見て、なにも言わなかったね。いやだ、僕のママだよ、降りて!と言ったらどうしようって思ったよ、よかったふみ、U君はママもいないのに、よく頑張ったもんね、だからふみはなにも言わなかったもんね。ふみは成長したなって、ママはとっても嬉しかったよ」


ふみはしくしくして顔を壁に向けてる、けど、話をちゃんと聞いてるとわかる。

「U君もえらいね、泣いてるのに、“ふ、ふみ君頑張れ!”ってふみを応援してたね。ふみはいいお友達を持ってるね、羨ましいよ」

ふみは壁に向かって、話をじーっと聞いている。


「ふみもえらいわ、U君を励ますために、わざわざU君の前で柔道を取ってたね。ほんとうにいいお友達同士ね、ママ感動したよ」
「なんでわかったの?」


わかるよ、わかりますとも!ふみは大きいお兄ちゃんを捕まえて、一生懸命U君の目の前に引っ張って来て、やー!と言う掛け声で大きいお兄ちゃんを倒す。

そういう頑張ってるふみと、涙声で応援するU君に、ちょっと感動したよぉ。かわいい小さい男の子たち!こころが大きいよ。


「あ、そうだ、ふみ、ふみのえらいところを、ママはまた見つけたよ」
「なに?」
「仰向きになって、受け身をやる時、Ⅰ君の足、ふみの頭や肩に落ちてたね。ふみは泣くかと思ったよ、泣かないで場所を換えたね。すごいな〜って思ったよ」


I君は元同じ保育園の子で、今年、小学生になったばかり。ほかの新入生と一緒で、I君もまだ保育園のふみたちに威張りたい。先輩後輩の関係を解らせたいようだ。


少し前のふみは、それに戸惑うし、堪えられないで泣くことも。

けど今はだいぶ平気になった。仰向きのI君の足がふみの頭や肩に落ちる時、ふみは起き上がって、頭を撫でながらI君を見る、仰向きのI君はただ受け身をやって、別にわざとでもないと思ったか、ふみは空いてる場所まで移動して、また受け身の練習を続けた。

ほっとした同時に、ふみの精神面の成長に嬉しくなった。


「ママなんでわかったの?見てたの?」
「そりゃ見てるよ、ふみのことをずっと。感心したよ、そういう心の広いふみに、いろんなものを教えてもらったよ」

「ふ〜ん」

「ママは、ふみほど心広くないから、人に意地悪されると、言葉に出さなくても、心の中ではなかなか穏やかになれないよ」

「ふ〜ん」

「今度ふみに悩みの相談してもいいかな」

「いいよ、言って、今」

今?困るな。
「えっと、人に意地悪されて、その人はわたしは分からないと思ってるの。だからちょっと抗議というか、もう知ってるよ、なんでそういうことするの?と言おうかと思って。でもちょっと迷ってる、どうしようか」

「う…ん、ほっとけばいいよ、あんなの。気にしないほうがいいよ」とふみは手を振りながら言った。まるでくだらない、ちっぽけなものを目の前できれいに払いたいような仕草。


「そっか〜そうよね。ママも実はそう思う。この前にふみと一緒にお葬式に行ったでしょう?あの時はママは思った、人間はいつ死ぬかわからないものです。できるだけ人を許そう、でないとその人が亡くなる時、きっと後悔するでしょう、あんなどうでもいいことを言わなきゃよかったって…」


「へぇ〜、あとどんな悩み?」


「え…、あ、そうだ、痩せようと思って」
「なんで?」
「そのほうがきれいでしょう」
「今でもきれいよ」
おっほっほっほっほ、ふみ君、きみは将来モテるわ〜

「でもママ、草生活をすれば、痩せるよ」とふみは真面目な顔でおっしゃる。
(ToT)/~~~