エプロン・ゴッホ・ウオキング

ふみは自分用のエプロンがほしいと前に言って、作ってあげようとは思ってましたけど、なかなかそういう時間がなくて。
一日、一週間、やることはほとんど決まってますからね。睡眠時間を削らない限りは。

この前、タオルなどを売る小さいお店で、こども用のエプロンを発見。クリスマスっぽくて、かわいい。買いました。

夕べ、「ぱぱとままのおてつだいをたくさんしてね」とのひらがなのお手紙をパパに頼んで書いて、下には英語のサンタのサインを。(パパはサンタの似顔絵まで)それとエプロンを一緒に置いて、今朝ふみに発見させたのです。


大喜びかと思ったら、ふみはなんか複雑な顔をしてました。

あとでわかったが、ふみ、どうもサンタさんがこれをくれたら、もうクリスマスプレゼントがないと考えたようです。使いたがらないし、遠くに置こうとするふみです。

ハッハッハ。


午前、ふみとバスに乗って、青山墓地下駅で降りて、国立新美術館へ、ゴッホ展を見に出かけました。

一晩の雨と風のあと、澄んだ青空が眩しい。

墓地下から徒歩で少し戻れば、美術館に着く。その戻り道の傍の建物は、鉄条網で囲まれた米軍陸軍区です。「無断で入ると、日本の法律によって罰することに」とあっちこっちに書いてあります。


ゴッホ展、や〜感無量というならちょっと大げさなのかもしれませんが、今まで教科書などでさんざん見た油画の実物が目の前に現れていると、やっぱり感動的なものです。


いつも、はしゃぎっぱなしのふみは、わたしの事前の注意により、とってもおりこうでした。たくさんの人の中で、わたしの手を握り、ゆっくりと列に従って移動して、ゴッホを絵を鑑賞した。

ちなみにふみに今回の絵展への一番印象深いものは、ゴッホ描いた絵の中で、じゃがいもを題材したのは「二枚もあったね」というのと、ゴッホが剃刀で自分の耳の一部を切り取ったことです。


お昼は、美術館のテラスでサンドイッチを。

13℃しかない気温ですが、風がなく、日差しが強いので、まあまあ暖かい。

「ママ、なんでゴッホが自分の耳を切ったの?」、ふみはまだそのことを気にしてる。
「芸術家って、そういうもんですよ」
「芸術家って?」
「絵を描いたり、音楽を作ったり、お洋服をデザインしたり、みたいな、人を幸せにさせるお仕事をする人たち」
「ふんん、そういうもんって?」
「だから普通の人と違うのよ、考えてることも、やってることも。逆に言えば、あまり普通だと、芸術家になれないかな」
「ふみは?」
「う…ん、ふみは芸術家タイプじゃないな」
「どうして?」
「芸術家は、真剣に柔道とか水泳とか、やらないんじゃない?よくわからないけど、そんな気がする」
「ふんん」

最近のふみは、ほんとうにこの「なに?」「どうして?」が多くて、全部答えるのに苦労してるほど。

どこから飛んできたタンポポの綿毛を、追っかけて確保したふみ。


風邪治ったばかりで、また今回の耳下腺炎で、連続のお休みで、ふみもわたしも運動不足気味、太り気味。
それをふみにいろいろと説明をして、これからは毎朝体重を計ること・できるだけ運動すること・甘いものを断つことを、ふみから同意を得た。
さあー、善は急げ。「ふみ、ここ、六本木から、歩いて帰ろうか」
「いいよ」


昔、二回ほど、ここから歩いて帰ったことはあったんですけど、ふみとは、初めてです。

帰り道は太陽を背負ってることになるので、眩しくなくて助かった。

「ふみ、頑張ろうね」
「全然いいよ」


美術館をあとにする時、ふみはこのポスターの絵にうける。

「はっはっはっは、何これ、ママこの絵はなに?なに書いてるの?」
「これ?めにめんめん」
「めん?そーめん」
「や〜はるさめだね」
(作者さん、ごめんなさい)



80%OFF?すごいね。



乃木坂駅と、向こうのマネキンいっぱいのビル。


乃木坂まで来たから、当然乃木公園にも入ることに。
日清・日露戦争を戦った乃木陸軍大将の邸宅を公園にしたここは、将軍が生前大事にしていた馬の厩もそのまま残っている。乃木家の菜園なども。


ふみはその菜園に植えてる大根が気になって気になって、誰が世話をしてるのかとか、大根をずっと抜かないと腐っちゃうんじゃないかとか。
しかし土の上に出てる葉っぱだけを見ると、すぐ大根だとわかったのは、ちょっと感心しましたね。


この彫刻を見て、

わたしに読んでもらってから、「あの子、今はどこでなにをしているのかな」って、また気になったことが増えたふみです。



公園から下がって、乃木神社に行った。


なんと、神社でまた舞が行われている。

わたし、これで何回目でしょうか、神社にたまたま行って、ちょうど行事をというのが。

「これは、なにかのお祓いですか」とわたしは受付の宮司さんに聞く。
「おはらい?!違います違います、今日はウラヤスの舞です」

これは失敬。そうですよね、こんな芸術的な優雅なおはらい、あるわけないですよね。
わたしって、いつもこんなとんちんかんのことをしますね、困りますよ。


また乃木坂まで上がって、帰路を続く。


この猫小屋、さっきの馬小屋に負けてないわ。

中にほんとうに一匹の猫ぐっすりしてる。傘までさして、ご丁寧に。


こんな古い薬屋さん、まだ残ってるんだ。


乃木坂を抜けると、大通りの向こうはもう東宮御所なんだ。

正午というのに、日陰だとまるで夕方。



お洒落なおとなの街、青山。


穏やかな冬日


御所から顔を覗き出すもみじ。


「ひゃ〜すばらしい〜、これは何色というんでしょうね」

とわたしが聞くと、
「あか」とふみが。
「そりゃ赤でしょう。でも赤だっていろいろあるでしょう」
「からくれない」
?!
なるほど!唐紅かー。ちょっとびっくり。いつかテレビかどこかで見たのでしょう、ふみは。感心したわ、からくれない。まさにもみじの色だわ。


巨大なムカデを発見。

これを使って四季を表す小さい頃やってた遊びをふみに見せた。
喜んだふみは、何回も何回もやらせる。



思いっきり冬景色ね〜


同じ葉っぱなのに、枯れて粉々になってるのと、まだ黄色いのと、まだ枝に残ってるのは、その違いはなんでしょう、その運命、誰が決まるのでしょう。
「神さまよ」とふみが。

そうでしょうね、だってその基準、誰もわからないもの。運命と言いようがないわ。
人間も同じね。



とうとうふみと六本木から歩いて帰ってきたね。


午後は耳鼻科に行って、診て下さった先生は、「これは完全に治ったよ、腫れはひいた。明日から保育園は全然問題ないです」と。

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