お散歩
今日は晴れてはいないが、風もなく、暖かい。
スーパーの朝市に、ふみとお買い物に行く。
なんだか疲れて、体調はイマイチのわたしは、お昼作る気力もなく、牛乳や玉子などのお買い物をしてからお惣菜コーナーで、ふみの昼食のお魚などを買った。
あまり元気なさそうに見えたか、ふみはわたしに、「ママ、魔法使いも病気するの?」
「するとも。ある意味で普通の人よりするよ、だって、ママは保育園に目を置いたりして、他のお母さんより、ずっと疲れるよ」
「魔法使いに薬はないの?」
「あるけど、薬屋さんにはないから」
「なに?」
「緑や、美味しい空気とか」
「ふうん」
「だからご飯を食べたら、お散歩に行こう。緑のあるところでゆっくり散歩するのが、ママの一番のお薬」
昼食過ぎて、ふみと駅までゆっくり向かう。
「水仙の花、もう萎れ始めてるね」だからかな、香りがない。
「どれどれ?本当だ、香りないね。待って、これ、麦の香りがする」とふみが。
麦の香り?なんで?というか、ふみはいつどこで“むぎ”の香りを知った?
「たんぽぽだ」
ずっとたんぽぽを食べてみようと二人で話したけど、いざ目の前にたんぽぽを見ると、やっぱり…。
でもこのたんぽぽ、もう綿毛になってるのはなぜ?
あと一ヶ月でしょう、ここが桜並木になるのは。
いろいろ遊んで、ふみは、松の葉と松ぼっくりを拾い集めた。
カカシを作る・お雛様を作る・土俵を作る、いろんな案をだすふみ。
いっぱい拾って、疲れて、教会に入った。
高い天井から、明るい灯が注ぐ、ちらほら座ってお祈りをする人たちは、平和な笑顔もいれば、涙をこぼす人もいる。
広く開けている扉から、そよ風が草の薫りを運んでくる。
深呼吸するわたし、退屈そうなふみ。
帰りの神社の長い階段を上る時、
「猫よけだ」とふみは、水の入ってるペットボトルの列に指をさす。
前にふみに聞かれて、「猫よけらしいよ」と答え、ふみ、覚えたんだ。
「本当だ、猫よけだね。どんなものならフミヨケになるのかしら?」
「ふみよけ?」
「うん。これならふみは怖いから、おとなしくなるから、という意味のふみよけ」
「僕には、何も効かないよ。僕はどこに行っても暴れますからね」
ふみは真顔で言う。
(-_-)
仰ぎ見れば、河津桜。
乾燥の野菊と金木犀を煎じて、飲みました。
少し頭がすっきりするかと。