やめない

寒いです。

二日連続の冷たい雨は上がったが、北風で真冬の寒さになって、明日、最低気温1度だそうです。場所によって氷がはるのかも?

寒かったり、暖かかったり、この繰り返しで、春が訪れるのですね。


明日、さむ〜い桃の節句になるね。

薄ピンクの桃の花と、ちっちゃい赤い梅の花がデザインしてある雛祭りらしいネイルをしました。


夕方、柔道。いつものように二着の柔道着を持って、道場について、ふみとU君に着替えさせ、帯を締められた途端、ふみはもう畳に上がって走り出す。
U君は、わたしに寄りかかって、それを眺める。

U君、この調子でもう2、3ヶ月経つんですね。
お母さんはとっても忙しいので、U君の柔道を一回も見に来ることがないんです。
まだ見学だけとの状態は知っていますが、何も言わないですから、わたしも言うことはないでしょうけど、でもね〜


「ね、U君、こうやって見学だけで、もう結構長いんだから、U君はどう考えてる?頑張って、少しずつでもいいから、やるとか、それとも柔道はやりたくないから、もうやめる。どう?話してくれる?やめたいならいいのよ、わたしからU君のママに話すから」
U君は黙る。
少し待ってましたけど、喋りそうにないと見て、
「U君、やめてもいいのよ、こうやって、お母さんが毎月の月謝も払わなきゃいけないし、たいへんよ。やめて、小学生になって、またやりたくなったら、その時でいいんじゃない?」

「いやだ、やめない」U君は小さい声で、「うちで柔道を練習してるから」。

うちで…、ほんとうにどうするつもりなのかしらね〜


隣りに座ってる一人のお父さんが、
「なんでやらないの?何が怖いの?みんな優しいじゃない、怖いものないよ、柔道着も着替えして、ここに立って、だめじゃない」
U君は下へ向く。

先週、一人の中国人のお母さんが、
「信じられない、これはわがままよ、うちの子を見て、3歳よ、最初泣いて、無理やりにやらせたら、ほら、今楽しいよ。ちょっとおいで、こっちにおいで」とU君を引っ張る、U君は「いやいや」と暴れて、わたしの腕を掴む。

そのお母さん、あきれた顔をしてた。


どうでしょうね〜、確かに、そのお母さんのやり方で、成功する例も多くあると思う。


わたし自身は、そうされたら嫌だなと思うから、だからわたしからもそういうやり方ができないな〜


今日は、そのお父さんの説教のあと、たまたま一人の小学生の男の子も近づいて、「いつもなにやってんだよ、柔道やらないなら、帰れば?なんでいつもここに立ってんのよ」
U君、無表情だが、頬を一ヶ所の筋肉が、チクチクしてるのに気づきました。
この子、すごいストレスになってるなとわかった。
その時、その小学生がU君を抱えるように、「来いよ、ずっと立ってるんじゃ何もできないじゃない」
U君、慌てた顔で、泣きそうになった。


仕方なく、わたしはその小学生に、「今日はちょっと…、今度からやるから、ありがとうね、今度やる時、よろしくね」

小学生は手を離して、去った。
U君は顔をわたしの膝に埋めた。


U君、保育園では、わりとやんちゃのほうなんだけどね。
どうすればいんでしょうね。


ほかの保護者は、U君のママが来ないことを不思議がる。
忙しいのと、わたしを信頼しているの、でしょう。あまりたいして喋ったこともないんですけど。


U君、柔道しようとまったくしないのに、やめようともしないのは、なんなんでしょうね。

もうしばらく様子を見るしかないかしらね。



帰り道のふみとSちゃん。

自転車で柔道帰りの子を載せてる一人のお母さんが、「いいね、仲良くて」と言って、
ふみとSちゃんは笑う。


この辺の大きなスーパーに、保育園の子供たちの塗り絵が展示されてる。
お雛様。

中に、飛びきってる一枚があって、中国人のR君の。

ふみたちと同じ歳と思えないほど、色使いといい、丁寧さといい、なんて素晴らしい!今度そのお母さんに会ったら、伝えましょう。