枝垂れ桜

二週間ぶりに保育園に行くのは、ふみはとても喜んでた。

廊下で担任の先生と会って、明日から、転勤すると。公務員ですから、いつ転勤させられるかわからないもので。

…。
年中さんの最後の一日、間に合ってよかったね、ふみ。もうS先生とは、なかなか会えないでしょうね。


わたしは二週間ぶりの出勤。

「西宮はいかがでしたか?」
「ええ、たいへん平和でございました」
「さようですか」
「ええ、わたしのような平凡な人は、やはりお店に行くと、品物がいっぱいであれば、安心してしまいますね。あ〜物資の豊かさに、心の余裕が生まれますねって、しみじみとわかりました」
「さようですか」
「ええ」
I さんとの会話でした。


わたしは、スーパーやコンビニの空っぽの棚に、一番不安になったのかもしれない。これからはどうなるのでしょう。その不安に、一番にやられました。

関西での二週間で、目に至るところは、普通の生活光景です。この普通の普通の生活光景に、心が癒されました。


東京のお店は、わたしが関西へ行く時よりは、品物がだいぶ戻ってきています。


節電のために、駅やいろんな施設は、とても暗く感じる。


でも人々は、落ち着いてきてると感じる。



夕方、久しぶりにヨガを。

生徒のSさんと少しお話をしました。
1929年生まれのSさんは、この先生について20年間。今年82歳のSさん、見た目は20歳若く見える。


「休んでた間は、ヨガ教室、何か変わりはありましたか?」
「ぜ〜んぜん、なんにも」
「そうですか。先生は何かおっしゃってませんでしたか?このたいへんな時期についてとか」、先生のような聖者から、なにか励ましになるお言葉にでもと思って。

「なにも。この20年間、少なくともわたしから見ると、先生、周りの変化とかによって、何か変わりがあること、まずないですね。くだらないこと一切言わないですしね。だって、どうにもならないこと、言ったり、焦ったりしたって、しょうがないものね。」
70代後半のヨガの先生は、普段の移動手段は自転車、なので停電だの、電車が本数減らすだの、関係ない。
長年贅沢の食べ物・動物性蛋白質など、摂ることがないため、玉子が買えないとか、お肉が買えないとか、関係ない。


浮世離れのヨガの先生。

「だから私は20年この先生の元にヨガをやって、やりたいのね。いつも穏やかで、変わりのないこの先生のところに来ると、世の中の騒ぎ、バカバカしくなってね…」


ヨガをやって、笑顔になる先生を見ていると、
衆生皆酔我独醒」という言葉が頭によぎった。



仕事先で3月生まれの人の誕生会をやりました。


おいしいケーキとお紅茶を。





枝垂れ桜が二分咲き。
悲しくも嬉しくもなく、ただ、さくらが咲いてる。