柔道
今日の柔道は、年内最後の稽古です。
前回と同じ、また遅刻してしまって。
仕方ないわ、年末はなにかとやることが多くて。
みんなもう体操を始めてる道場に入って、ふみは通園カバンを適当に投げ出し、
あ〜〜と言って、でんぐりがえしする。
畳が、春の野原に見えたのでしょうか。
U君は、おとなしく着替えをする。
「ふみ!ふみ!」との先生の声が響くが、かまやしない、ふみは今度側転を。
仕方なく先生は「おまえな」と言いながら、ふみを柔道着に着替えさせてくれてた。
申し訳ないわ、でもわたしはU君の着替えを。
ふみの柔道、今日も楽しくやってた。
特に二人ずつ組んで試合をやる時、ふみは大喜び、膝立ちして拍手。
「やりたい、やりたい」
K君、Sちゃん、順番にやって、K君はSちゃんに負けて、K君は泣いた。
今度Sちゃんは小学生に負けて、Sちゃんは泣いた。
ふみは一回勝ったけど、ニ回負けて、泣くどころか、
「やりたい、もっとやりたい。ね、いいでしょう、ね」
と先生におねだり。
道場から出た時、Sちゃんは、まだしくしくしてた。
ふみは「あのね、一回負けたって、泣くんじゃないぞ」とSちゃんに言って、
「違う。あたし、負けて泣いたんじゃないもん、痛かったから!」
でも外に出る時、SちゃんもふみもU君も、わたしが持っていたチョコレートのお菓子を食べて、上機嫌。
よかったよかった。
シンとした寒さの中で、ふみと帰路へ。
「ふみ、えらいね、負けても泣かないし、またやりたいって、すごいね」
「うん。でも、負けたら、そりゃ気持ちいいもんじゃないけどね」
へぇ〜、ふみ、それを隠して、少しも見せないんだ。
来年の柔道は、鏡開きの日に始まる。